アケビの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 9月~10月 |
アケビはこんな果樹
アケビ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方以南。半日陰でも育つ。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は必要(1本で実のなる品種もある)。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
アケビはつる性なので、棚仕立てや垣根仕立てで栽培する。
ミツバアケビの春に伸びる若いつる先(新芽)を摘み取ったものは、木の芽と呼ばれ、食用になる。アケビとよく似た常緑果樹のムベもアケビと同じ方法で栽培できる。
品種には、果皮が紫色で1本でも結実する『紫水晶』、果皮が黄色い『バナナアケビ』などがある。
アケビの育て方(1) 植え付け
アケビの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。植え付け時の苗木の切り返しは不要。
アケビは自家結実性がほとんどないので、結実させるには受粉樹(他品種)を混植する必要がある(アケビとミツバアケビ、ミツバアケビとゴヨウアケビなどの組み合わせ)。
アケビの育て方(2) 人工授粉
開花したら、他品種の雄花の花粉で人工授粉をする。
小花がかたまって咲いているのが雄花で、その下に大きく咲いているのが雌花。肥料不足になると雌花がつかない場合がある。
アケビの育て方(3) 摘果
実がたくさんついたときは、幼果のうちに、1花房1~2個となるように摘果を行う。形のよい実や大きい実を残して、他は摘み取る。
アケビの育て方(4) 収穫
アケビの収穫時期は9~10月。
アケビは熟すと自然に果皮が割れるので、そのときに収穫をする。割れる直前に収穫してもよい。
アケビの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、2月に速効性の化成肥料を施す。
アケビの育て方(6) 剪定
アケビの剪定時期は12月上旬から1月下旬。
花芽は新梢の中間付近につく(7~8月頃)。
巻きづるは切り、貧弱な枝や込み合う部分の枝を間引き剪定する。つるは水平に誘引すると実がつきやすくなる。
仕立て方には棚仕立てや垣根仕立てなどが向く。
アンズの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月上旬~2月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~7月 |
アンズはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は北海道南部以南。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
ウメと同じ梅雨の時期に果実が成熟するのがアンズ。完熟果は生で食べることもできる。品種によって、酸味の多いものや少ないものがあるので、用途にあった品種を選ぶ。生食が目的なら、酸味の少ない品種が適している。
品種には、果重40gで生食用や加工用に向く代表的品種『平和』、果重120gにもなる大果品種で生食に向く『おひさまコット』などがある。
アンズの育て方(1) 植え付け
アンズの苗木の植え付け時期は12月上旬から2月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
アンズは自家結実するが、受粉樹(他品種)を混植すれば、さらに実つきがよくなる。
アンズの育て方(2) 人工授粉
受粉樹を植えた場合、開花したら、互いの花で人工授粉をすると、実つきがよくなる。
アンズの育て方(3) 摘果
5月上・中旬頃になったら摘果を行う。葉数20~30枚に1果を目安に小果や傷果などを取り除く。1つの短果枝には1果とする。
アンズの育て方(4) 収穫
アンズの収穫時期は6~7月。
果実が黄色く色づき、少しやわらかくなった頃に収穫をする。
アンズの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、花が終わった後と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
アンズの育て方(6) 剪定
アンズの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は短果枝によくつく(7~8月頃)。
剪定では徒長枝や込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部に日が当たるようにする。長果枝は先端を1/4程度、切り返して短果枝を発生させる。
仕立て方は変則主幹形などが向く。
イチジクの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~11月 |
イチジクはこんな果樹
クワ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方南部以南。多湿に弱い。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は5月頃から始まる。
イチジクには夏果専用種、秋果専用種、夏秋兼用種がある。夏果専用種は果実が6~7月の梅雨時期に熟し、秋果専用種は果実が8月以降に熟す。夏秋兼用種は果実が両方の時期に熟す。イチジクの花は果実の内側に咲くため、外側からは見えない。
品種には、イチジクの代表的品種『桝井ドーフィン』、耐寒性が強い『蓬莱柿』、果実に縞模様が入る『ゼブラスイート』、糖度20~30度の極甘品種『ロードス』などがある。
イチジクの育て方(1) 植え付け
イチジクの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬(温暖地12~3月・寒冷地3月)。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
単為結果するため、受粉樹は必要ない。
寒冷地では耐寒性の強い、蓬莱柿などの品種を選ぶと良い。
イチジクの育て方(2) 収穫
イチジクの収穫時期は6~11月。
果実の先端が割れて、やわらかくなったものから順に収穫をする。
果実は枝の基部のほうから先に熟していく。通常、着果後75~80日程度で成熟する。
果実の成熟を早める場合は、果皮が黄緑色になった頃に、果実の先端の穴(目)に植物油(サラダ油やオリーブオイルなど)を1~2滴注入すると、1週間ほど早く収穫することができる(オイリング)。
イチジクの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、5月下旬から6月上旬と8月に速効性の化成肥料を施す。
イチジクの育て方(4) 剪定
イチジクの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
イチジクの結果習性は一般的な落葉果樹とは異なるので、剪定には注意が必要。
イチジクの花芽分化(花序分化)は5月頃から始まり、花芽はその年に伸長するすべての新梢の葉腋(基部1~3節を除く)につく。秋果は新梢についた花芽が成長して果実となり、その年の8月以降に熟期を迎える。夏果は新梢の先端部についた花芽が越冬後、成長して果実となり、6~7月に熟期を迎える。
秋果専用種は新梢を2~3芽残して切り返す。
夏果専用種は枝を切ると実がつかないので、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にする。
夏秋兼用種は全体の半分の枝は切らずにそのまま残し、もう半分は新梢を2~3芽残して切り返す。
枝を切るときは、節と節の中間で切るようにする。
仕立て方には、樹高を低く抑える一文字仕立てや杯状仕立てなどが向く。
イチョウ(銀杏)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 11月下旬~2月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 9月~10月 |
イチョウはこんな果樹
イチョウ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで5年かかる。受粉樹は必要。花芽分化は6~7月頃。
品種には、早生で豊産性の『金兵衛』、殻が薄く大粒の『藤九郎』などがある。
イチョウの育て方(1) 植え付け
イチョウの苗木の植え付け時期は11月下旬から2月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
イチョウは雌雄異株で、結実には受粉樹となる雄木が必要だが、イチョウの花粉は1kmほど飛散するので、その範囲内にイチョウの雄木があれば(街路樹でもよい)、雄木を植えなくても結実する。範囲内に雄木がない場合や確実に結実させる場合は雄木を植える。
イチョウは大木になるので、植え付け場所はよく考えて決める。実生の苗木では結実するまでに数十年もかかるので、必ず接木苗を購入する。
イチョウの育て方(2) 収穫
イチョウの収穫時期は9~10月。
イチョウの果実は成熟すると自然に落下するので、落ちたものを収穫する。熟期になったら、枝を揺すって落としても構わない。
収穫した果実は、数日、水につけて、果肉を腐らせてから洗浄し、乾燥させる。
果肉は皮膚につくと、かぶれる場合があるので、ビニール手袋をつけて手を保護するとよい。
イチョウの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、結実するようになったら、5月下旬から6月上旬に速効性の化成肥料を施す。
イチョウの育て方(4) 剪定
イチョウの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は短果枝につく(6~7月頃)。
剪定は込み合う部分の枝を間引いて、日当たりを良くする程度でよい。幼木のころに上に伸びる枝を誘引して引き下げてやると、早く実がつくようになる。
仕立て方は主幹形や変則主幹形、開心自然形などが向く。
ウメ(梅)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 5月~6月 |
ウメはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は北海道から九州地方。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は品種によっては必要となる。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
ウメはサクラより早く開花し、梅雨の時期に成熟する。ウメには梅干に適する品種や梅酒に適する品種などがあるので、用途にあった品種を選ぶ。
品種には、1本でも結実する小梅の『竜峡小梅』、梅干向きで1本でも結実する『紅さし』、梅酒用の『露茜』、淡紅色の八重咲きで花も楽しめる『花香実』などがある。
ウメの育て方(1) 植え付け
ウメの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
ウメには自家結実性のある品種とない品種がある。自家結実性のない品種では受粉樹(他品種)の混植が必要。受粉樹には開花期が同じで、花粉の多い品種を選ぶ。
寒冷地では開花が早いと幼果が寒害をうけやすいので、豊後系などの遅咲きの品種を選ぶとよい。
ウメの育て方(2) 人工授粉
開花したら、自家結実性のない品種や花粉の少ない品種では人工授粉を行う。
花粉の多い品種の花を摘みとって、もう一方の品種の花の雌しべに花粉をつける。
ウメの育て方(3) 摘果
実がつきすぎた場合は、4月下旬頃に摘果を行う。
摘果では、5~10cm間隔に1果を残して、小果や傷果などを取り除く。小梅の場合、通常、摘果は必要ない。
ウメの育て方(4) 収穫
ウメの収穫時期は5~6月。
果実を梅酒用にする場合は、果実がまだ緑色のうちに収穫をする(青ウメ)。
梅干用にする場合は、果実が黄色く色づいた頃に収穫をする。
ウメの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、花が終わった後と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
ウメの育て方(6) 剪定
夏季剪定は6月上旬から7月下旬、冬季剪定は12月上旬から1月下旬に行う。
花芽は短果枝によくつく(7~8月頃)。
ウメは枝がよく伸びるので、夏季剪定では、徒長枝や樹冠内部の込み合った部分の枝を間引いて、日当たりをよくする。冬季剪定では、込み合った部分の枝を間引くほかに、長果枝の先端1/4程度を切り返す。先端を切り返すことで、短果枝が発生しやすくなる。
仕立て方は開心自然形などが向く。
カキ(柿)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 11月中旬~12月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 9月~12月 |
カキはこんな果樹
カキノキ科の落葉果樹。渋柿の栽培適地は東北地方以南。甘柿の栽培適地は関東地方以西(甘柿は気温が高い地域でないと渋が抜けない)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は品種によっては必要になる。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
カキには甘柿と渋柿がある。甘柿には受粉して種が多く入るほど甘くなる不完全甘柿と、常に甘くなる完全甘柿がある。渋柿には種が入ってもごく一部しか甘くならない不完全渋柿と、常に渋い完全渋柿がある。甘柿はそのまま生食できるが、渋柿は渋抜きが必要。
品種には、果汁が多く食味良好の渋柿『太月』、完全甘柿で雄花がある『太秋』、不完全甘柿で外見が黒い『黒柿』などがある。
カキの育て方(1) 植え付け
カキの苗木の植え付け時期は11月中旬から12月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は60~70cmの高さで切り返して植える。カキの根は黒いのが特徴。
カキには雄花をつけない品種がある。雄花をつけない品種を栽培する場合は、雄花をつける品種を受粉樹として植える必要がある。ただし、単為結果性の強い一部の品種(次郎、平核無、愛宕など)では、受粉樹は必要ない。
カキの育て方(2) 摘蕾
開花の10日ほど前になったら摘蕾を行う。
蕾が1枝1個になるように、枝の中央部にある下向きの蕾を残し、それ以外の小さな蕾や上向きの蕾を摘み取る。雄花は受粉に必要なので摘み取らないようにする。
カキの育て方(3) 人工授粉
着果を確実にする場合は、開花後3日以内に雄花の花粉を雌花につける人工授粉を行う。
カキの花には雌花、雄花、両性花がある。雌花は大きい花が単体で咲き、雄花は小さい花が3つ1組(3つ以外のときもある)になって咲く。
カキの育て方(4) 摘果
生理落果が終わる7月になったら、摘果を行う。
葉20~25枚に対して1果となるように、変形果や病害虫果を取り除く。
カキの育て方(5) 収穫
カキの収穫時期は9~12月。
果実がオレンジ色に色づいた頃に収穫をする。渋柿は渋抜きが必要。
カキの育て方(6) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、7月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
カキの育て方(7) 剪定
カキの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の先端付近につく(7~8月頃)。
剪定では間引き剪定を主体にする。徒長枝や込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。前年、実がついた枝には実がつきにくいので、前年、実がついた枝は先端を切り返し、新梢を発生させる。花芽のついた枝先は切り返さないよう注意する。
仕立て方は開心自然形、変則主幹形などが向く。
渋柿の渋抜き方法
渋柿の渋抜きをするには、焼酎など35度以上のアルコール(エタノールでも可)にヘタの部分を浸したあと、ポリ袋にカキを入れて空気を抜いて密封し、20℃前後の室内に置いておくと1週間程度で渋が抜ける。
40~42℃のお湯に半日~1日浸けておいても渋は抜ける(湯ぬき)。
カリンの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 10月~11月 |
カリンはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は関東地方以北(雨が少なく夏に冷涼な地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
カリンの果実は固いため生食には適さない。カリンの果実はマルメロの果実と似ているが、果皮に毛がないのがカリンで、果皮に綿毛が生えているのがマルメロなので簡単に見分けがつく。
カリンの育て方(1) 植え付け
カリンの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cm程度で切り返して植える。
カリンは自家結実性があり、1本でも結実する。受粉樹は不要。
カリンの育て方(2) 人工授粉
カリンは1本でも結実するが、開花したら筆先で花の雄しべの花粉を雌しべにつけて人工授粉してやると、さらに安定して結実する。
カリンの育て方(3) 摘果
5月下旬から6月上旬頃に摘果を行う。カリンは着果数が少ないので、小果や変形果、病害虫果などを摘み取る程度でよい。
摘果後、果実に袋かけをすれば、病害虫の被害を防ぐことができる。
カリンの育て方(4) 収穫
カリンの収穫時期は10~11月。
果実が緑色から黄色になって、特有の芳香がするようになった頃に収穫する。
カリンの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月に速効性の化成肥料を施す。
カリンの育て方(6) 剪定
カリンの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は短果枝によくつく(7~8月頃)。
剪定では込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。長果枝は先端を切り返して短果枝の発生を促す。徒長枝は間引く。
仕立て方は変則主幹形などが向く。
キウイの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 11月中旬~12月中旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 10月~11月 |
キウイはこんな果樹
マタタビ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方南部以南。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は必要(1本で実のなる品種もある)。花芽分化は7月頃(花芽は混合花芽)。
一般にキウイと呼ばれているが、正式名はキウイフルーツという。キウイはつる性なので、棚仕立てや垣根仕立てで栽培する。
品種には、果肉の中心が赤色の『紅妃』、果肉が黄色の『アップルキウイ』、1本で実がなる『スーパーエメラルド』などがある。
キウイの育て方(1) 植え付け
キウイの苗木の植え付け時期は11月中旬から12月中旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は2~3芽残して切り返して植え付ける。
キウイは雌雄異株で、結実させるには、実をつける雌木と受粉用の雄木の2本を一緒に植える必要がある。場所がないときは、雄木だけ鉢植えにしてもよい。受粉用の花粉も市販されている。
キウイの育て方(2) 摘蕾
蕾がつき始めたら摘蕾をする。
1節に複数の蕾がついているときは、中心の蕾を残して他は摘みとり、1節につき1蕾にする。
キウイの育て方(3) 人工授粉
開花したら人工授粉をすれば、より確実に受粉できる。
雄木の雄花を雌木の雌花につけて受粉させる。雄花1つで10花ほど受粉できる。
キウイの育て方(4) 摘果
摘果は開花1ヶ月以内に行う。
小果や傷果などを取り除いて、最終的に80cm前後の枝で3~4果、50cm前後の枝で2果、30cm以下の枝で1果を残す。
キウイの育て方(5) 収穫
キウイの収穫時期は10~11月。
キウイは追熟が必要なので、果実がかたい状態で収穫して追熟させてから食べる。
収穫するときは、果実を手で握り、親指で果梗を押すと、簡単に果実が離れる。
キウイの育て方(6) 追熟
収穫した果実は、15~20℃の室温に置いておけば2週間程度(品種によって若干異なる)で熟して食べられるようになる。
エチレンを発生するリンゴ1個に対し、キウイ10個の割合で、一緒にビニール袋に入れておけば、さらに早く熟す(袋の口はかるく縛る)。
果実がやわらかくなったら、食べ頃となる。
キウイの育て方(7) 肥料
肥料は毎年、11月に有機質肥料、2月に速効性の化成肥料を施す。
キウイの育て方(8) 剪定
キウイの剪定時期は12月下旬から2月上旬。
花芽は新梢の葉腋につく(7月頃)。前年に実がついた節からは発芽しない。
剪定では込み合った部分の枝を間引いて、全体によく日が当たるようにする。
実がついた枝(収穫のときの果梗が残っているので分かる)は、実がついた節から数えて3~5芽先で切り返し、実がつかなかった枝は基部から数えて8~10芽先で切り返す。
仕立て方には棚仕立てや垣根仕立てなどが向く。
グミの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬(落葉種)、3月(常緑種) |
収穫時期 | 5月~7月(アキグミは10月) |
グミはこんな果樹
グミ科の落葉果樹(または常緑果樹)。栽培適地は、落葉種は全国、常緑種は関東地方以西。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は基本的に不要だが、品種によっては必要になる。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
グミには落葉種と常緑種がある。一般に落葉種は春に開花し、常緑種は秋に開花する。
品種には、落葉種の『ナツグミ』、ジベレリン処理するとよく実がつく落葉種の『ビックリグミ』、暖地向きの常緑種『ナワシログミ』などがある。
グミの育て方(1) 植え付け
落葉種は12月上旬から3月下旬、常緑種は3月が苗木の植え付け時期。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
グミは自家受粉でよく結実するため、受粉樹は不要。ただし、ビックリグミ(別名ダイオウグミ)はそのままでは実つきが悪いので、開花時期の同じ他品種を混植するか、花の満開時とその2週間後の2回、ジベレリンの100ppm水溶液を木に散布すると、実つきがよくなる。
グミの育て方(2) 収穫
グミの収穫時期は5~7月(アキグミは10月)。
果実が赤く色づき、やわらかくなったものから順次収穫をする。完熟していないと渋みがある。
果実は日持ちしないので、収穫後はすぐに食べるか、ジャムや果実酒などに加工して利用する。
グミの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、2月に速効性の化成肥料を施す。
グミの育て方(4) 剪定
グミの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は短果枝によくつく(7~8月頃)。
剪定では徒長枝や込み合った部分の枝を間引いて、樹冠内部の日当たりをよくする。長く伸びた新梢は、先端を1/3程度切り返すと短果枝が出て、よく実をつける。
仕立て方には主幹形仕立てや株仕立てなどが向く。
クリ(栗)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 8月~10月 |
クリはこんな果樹
ブナ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は必要。クリは雄花と雌花で花芽分化の時期が異なる。雄花は前年の7~8月頃で、雌花は当年の4月頃。花芽は混合花芽。
品種には、渋皮が簡単に剥ける『ぽろたん』、トゲのない『とげなし栗』、他の栗と比べて2倍の大きさの『ジャンボ神鍋』などがある。
クリの育て方(1) 植え付け
クリの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家受粉では結実しにくいので、結実させるには受粉樹(他品種)の混植が必要。
クリは大木になるので、植え付け場所はよく考えて決める。クリは果樹のなかでも耐陰性が弱く、日陰では花芽がつきにくくなるので、日当たりの良い場所を選んで植えることが重要。
クリを栽培するときは、クリタマバチ(新芽に産卵して虫こぶをつくる害虫)に抵抗性のある品種を選ぶようにする。
クリの育て方(2) 人工授粉
クリは雌雄異花で、雄花と雌花が分かれて咲くが、受粉樹が近くに植えてあれば、風媒で受粉するので(花粉の届く範囲は10~20m)、人工授粉する必要はない。
穂状に咲くのが雄花で、その雄花の基部に咲くのが雌花(実がつくのは雌花)。
クリの育て方(3) 収穫
クリの収穫時期は8~10月。
果実は成熟すると、イガが茶褐色になり、裂けて落下するので、落ちたものを拾って収穫をする。
クリの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
クリの育て方(5) 剪定
クリの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
クリは前年枝の先端付近についた花芽から、雄花と雌花がつく新梢が伸びる(前年枝の中間部にも花芽はつくが、こちらは雄花のみ)。
日当たりが悪いと花芽がつかないので、込み合った部分の枝を間引いて、樹冠内部に日が当たるようにする。クリは間引き剪定を中心にする。
仕立て方は変則主幹形や開心自然形仕立てなどが向く。
クルミの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 9月~10月 |
クルミはこんな果樹
クルミ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方以南(雨が少なく夏が涼しい地域。暖地では樹勢が強くなりすぎて、花芽がつきにくい)。実がなるまで5年かかる。受粉樹はあるとよい(実つきがよくなる)。花芽分化は6月頃(花芽は混合花芽)。
品種には、殻が薄く食べやすい『カシクルミ』、殻は硬いが濃厚な風味の『オニグルミ』などがある。
クルミの育て方(1) 植え付け
クルミの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cmくらいで切り返して植える。
クルミは雌雄異花で、同じ株の中で、雄花と雌花が分かれて咲く(実がつくのは雌花)。クルミは自家受粉するが、品種によって、雌花が先に咲く雌花先熟型と雄花が先に咲く雄花先熟型があり、雌花と雄花の開花時期が異なる。単植では結実不良になる場合があるので、結実を安定させるために、他品種(受粉樹)を混植するとよい。
クルミは大木になるので、植え付け場所はよく考えて決める。
クルミの育て方(2) 人工授粉
受粉樹が植えてあれば、風媒によって受粉するので、人工授粉をする必要はない。
クルミの育て方(3) 収穫
クルミの収穫時期は9~10月。
果実は熟すと、外果皮が裂開して自然に落ちるので、拾い集めて収穫する。枝をゆすったり、棒などで叩いて落果させてもよい。オニグルミは外果皮が裂開せずに落果する。
収穫した果実は外果皮を取り除き、洗浄、乾燥させたのち、殻を割って利用する。
クルミの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、収穫後に速効性の化成肥料を施す。
クルミの育て方(5) 剪定
クルミの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の先端付近につく(6月頃)。
幼木のころは、樹冠内部まで日が当たるように、込み合う部分の枝を間引き、新梢は先端1/3程度を切り返す。実がつくころになったら、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合う部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にする。
仕立て方は変則主幹形仕立てが向く。
クワ(桑)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月、3月 |
収穫時期 | 6月 |
クワはこんな果樹
クワ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は品種によっては必要となる。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
クワはカイコの飼料としてよく知られている落葉高木で、別名マルベリーともいう。家庭果樹として栽培する場合は、実つきがよく大果の果実採取用の品種を選ぶとよい。
品種には、1本でも結実する『ララベリー』や『ポップベリー』、糖度がきわめて高い白実の『ホワイトベリー』などがある。
クワの育て方(1) 植え付け
クワの苗木の植え付け時期は12月と3月。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
クワには雌雄異株と雌雄同株があり、品種によっては、1本でも結実するものもあるが、基本的に雄花をつける他品種の混植が必要。
クワは大木になるので、植え付け場所はよく考えて決める。
クワの育て方(2) 人工授粉
クワは風媒花なので、受粉樹が混植してあれば、人工授粉する必要はない。
クワの育て方(3) 摘果
果実を加工用に利用する場合は、摘果は必要ないが、生食用にする場合は、幼果のうちに1結果枝あたり2~4果となるように摘果すると、食味がよくなる。
クワの育て方(4) 収穫
クワの収穫時期は6月。
果実が黒紫色(品種によって色は異なる)になって熟した頃に収穫する。収穫が早すぎると酸味が強く残る。
果実は日もちしないので、収穫後はすぐに生食するか、加工して利用する。
クワの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
クワの育て方(6) 剪定
クワの剪定時期は収穫直後と1月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(7~8月頃)。
収穫直後の剪定では、結果母枝を2芽残して切り返す。冬の剪定では、込み合う部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方は一文字仕立てや垣根仕立てなどが向く。
サクランボの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (難しい) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~7月 |
サクランボはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方以北(成熟期に雨が少なく涼しい地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は必要(1本で実のなる品種もある)。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
一般に樹上の果実、または樹自体をオウトウ(桜桃)といい、収穫後の果実をサクランボという。
品種には、甘みが強く1本でも結実する『紅きらり』、果実が黄色い『月山錦』、500円玉サイズの特大果で1本でも結実する『さおり』などがある。
サクランボの育て方(1) 植え付け
サクランボの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は高さ60~70cmで切り返して植える。
サクランボには1本でも結実する品種と1本では結実しない品種がある(品種の多くは1本では結実しない)。1本では結実しない品種の場合、他品種を混植して受粉させる必要がある。サクランボは品種間の受粉の相性が悪いと結実しないので、結実する組み合わせで栽培をする(例:佐藤錦と南陽の組み合わせでは結実しないが、佐藤錦とナポレオンの組み合わせでは結実する、など)。
サクランボの育て方(2) 人工授粉
1本では結実しない品種の場合、5分咲きと満開のときの2回、雄しべの花粉をもう一方の品種の雌しべにつける人工授粉をする。
サクランボの育て方(3) 摘果
満開後20日ほどたって、幼果が見えてきたら、小果や奇形果などを摘み取って、1箇所に2~3果となるように摘果を行う。摘果をすることで果実の肥大もよくなる。
サクランボの育て方(4) 収穫
サクランボの収穫時期は6~7月。
果実は開花後40~50日程度で色づいて成熟期を迎えるので、十分色づいたものから順に収穫する。
サクランボは果実の成熟期が梅雨時期と重なる。果実の成熟期に雨が多いと、果実に水分が吸収されて裂果しやすくなるので、梅雨時期は樹全体、あるいは枝をビニールなどで覆って雨よけをするとよい。
収穫期になると鳥に食べられやすいので、被害が目立つときは防鳥ネットをかけて防止する。
サクランボの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
サクランボの育て方(6) 剪定
サクランボの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は短果枝によくつく(7~8月頃)。
剪定では込み合った部分の枝を間引き、前年伸びた枝は先端1/4程度を切り返し、短果枝を発生させる。2~3年実をつけた短果枝は以後の結実が悪くなるので、基部から切り取り更新する。
サクランボは太い枝を切ると、切り口から枯れることがあるので、早くから樹形をつくるようにする。
仕立て方は変則主幹形、開心自然形、垣根仕立てなどが向く。
ザクロの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 9月~10月 |
ザクロはこんな果樹
ミソハギ科の落葉果樹。栽培適地は北海道南部以南。実がなるまで5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
品種には、果実が裂開しない『カリフォルニア』、果肉が黒色の『ペルシャブラック』、種なしの『シャインレッド』、白実の『白実ザクロ』などがある。
ザクロの育て方(1) 植え付け
ザクロの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性があるので、受粉樹は不要。
ザクロの育て方(2) 人工授粉
ザクロは1本でも結実するが、開花時に筆先で花の中をさわって人工授粉してやれば、実つきがよくなる。
ザクロの育て方(3) 摘果
1箇所に2果以上、実がついた場合は摘果を行う。
1箇所に1果を目安にして、他は取り除く。
ザクロの育て方(4) 収穫
ザクロの収穫時期は9~10月。
果実が赤茶色に色づき、頂部がわずかに裂けた頃に収穫する(裂けない品種もある)。
裂けた果実は雨で腐敗しやすいので、とり遅れないよう注意する。
ザクロの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月に速効性の化成肥料を施す。
ザクロの育て方(6) 剪定
ザクロの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の先端付近につく(7~8月頃)。
剪定では徒長枝や込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。株元からは、ひこばえがよく出るので、出たら早めに株元から切りとる。
花芽は枝先付近につくので、切り返し剪定はなるべく控える。
仕立て方は主幹形や変則主幹形などが向く。
サルナシの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月上旬~2月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 9月~10月 |
サルナシはこんな果樹
マタタビ科の落葉果樹。栽培適地は全国。半日陰でも育つ。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は品種によっては必要になる。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
サルナシ(別名コクワともいう)はキウイの仲間だが、果皮に毛はなく、果実はそのまま食べることができる。果実は長さ2~3cmほどで味はキウイに似ている。ベビーキウイという名前で果実が販売されていることもある。
サルナシはつる性なので、棚仕立てや垣根仕立てで栽培する。
品種には、1本で実がなる『インパル』『エメロード』、赤色の実が特徴のベビーキウイ『パープルシャドー』などがある。
サルナシの育て方(1) 植え付け
サルナシの苗木の植え付け時期は12月上旬から2月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は高さ30~40cmで切り返して植える。
サルナシには雌雄異株と雌雄混株の品種がある。雌雄異株の品種は、結実のために雄株も植える必要があるが、雌雄混株の品種は1本でも結実するため、雄株を植える必要はない。雄株のかわりにキウイの雄品種も利用できる。
サルナシの育て方(2) 人工授粉
雌雄異株の品種の場合は、開花したら、雄花を雌花につけて人工授粉させると、より確実に受粉できる。
サルナシの育て方(3) 摘果
果実を大きくしたい場合は摘果を行う。
複数の果実がついた節は、中心の1果だけを残して、ほかを摘みとる。
サルナシの育て方(4) 収穫
サルナシの収穫時期は9~10月。
果実がやわらかくなった頃に収穫する。収穫した果実は追熟が必要。
サルナシの育て方(5) 追熟
収穫後、20℃くらいの室内に果実を置いておけば、数日程度で熟して食べられるようになる。
サルナシの育て方(6) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月に速効性の化成肥料を施す。
サルナシの育て方(7) 剪定
サルナシの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(7~8月頃)。
剪定では込み合った部分の枝を間引き、全体によく日が当たるようにする。枝は下垂させると実がつきやすくなる。
仕立て方には棚仕立て、垣根仕立てなどが向く。
ジューンベリーの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 6月 |
ジューンベリーはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方以南。半日陰でも育つ。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
6月(June)に果実が成熟することからジューンベリー(Juneberry)という。果実は直径1.5cmほどで、リンゴに似た香りがある。
品種には、花つきが良い『ラマルキー』、大果の『ティッセン』、樹高が低い『リージェント』などがある。
ジューンベリーの育て方(1) 植え付け
ジューンベリーの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
ジューンベリーの育て方(2) 人工授粉
1本でも結実するが、開花時に筆先で花の中をさわって人工授粉してやれば、実つきがよくなる。
ジューンベリーの育て方(3) 収穫
ジューンベリーの収穫時期は6月。
果実が濃紅色になり、やわらかくなったものから収穫する。収穫後はすぐに食べるか、加工して利用する。
ジューンベリーの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料を施す。
ジューンベリーの育て方(5) 剪定
ジューンベリーの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の先端付近につく(7~8月頃)。
ジューンベリーは株立ち性で、株元からはいくつもの枝(シュート)が発生する。仕立て方には変則主幹形仕立てや株仕立てがあるが、変則主幹形仕立ての場合は、株元から発生するシュートは全て切り取り、主幹1本だけにする。株仕立ての場合はシュート数本を残す。
剪定では込み合った部分の枝を間引いて、風通しや日当たりをよくする。2~3年実をつけた枝は実つきが悪くなるので、付け根から切り取り、新しい枝に更新する。
スグリの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 11月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 7月~8月 |
スグリはこんな果樹
スグリ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方以北(夏に冷涼な気候を好む。暖地で栽培する場合は、西日のあたらない半日陰となる場所に植える)。半日陰でも育つ。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
スグリ(グーズベリーともいう)は樹高1~1.5mくらいの低木。スグリには果実が大きいオオスグリと果実が小さいアメリカスグリがある。果実を生食する場合は、オオスグリのほうが向いているが、アメリカスグリより、うどんこ病に弱い。
品種には、熟すと赤紫色になる『ピクスウェル』などがある。
スグリの育て方(1) 植え付け
スグリの苗木の植え付け時期は11月(温暖地)と3月(寒冷地)。
植え付け時の苗木の切り返しは必要ない。
自家結実性があり、1本でも結実するので、受粉樹は必要ない。
スグリの育て方(2) 収穫
スグリの収穫時期は7~8月。
果実がやわらかくなって、色づいたもの(品種により、緑白色や赤紫色などがある)から順に収穫する。
果実は傷みやすいので、収穫後はすぐに生食するか、加工して利用する。
スグリの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料を施す。
スグリの育て方(4) 剪定
スグリの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(7~8月頃)。
剪定では込み合う部分の枝を間引いて、日当たりと風通しをよくする。3~4年収穫したシュート(株元から出る枝)は、花芽がつかなくなってくるので、株元から切り取り、新しいシュートに更新する。
仕立て方は株仕立てなどが向く。
スモモの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 6月~8月 |
スモモはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は品種によっては必要になる。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
スモモは別名、ニホンスモモともいう。
品種には、1本でも結実する『彩の姫』、果実がテニスボールほどの『貴陽』などがある。
スモモの育て方(1) 植え付け
スモモの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性のない品種では、他品種を受粉樹として一緒に植える。なお、自家結実性のある品種でも、他品種を混植したほうが、結実率は高くなる。
スモモの育て方(2) 人工授粉
自家結実性のない品種では、開花したら、受粉樹の花粉を他品種の花につける人工授粉を行う。
スモモの育て方(3) 摘果
結実したら、摘果を2回に分けて行う。
最初の摘果は、満開後30日頃に行い、上向きのものや発育不良果、病害虫果などを取り除く。
2回目の摘果は満開後50~60日頃に行い、最終的に小果の品種は5cm間隔に1果、中果の品種は8cm間隔に1果、大果の品種は10~15cm間隔に1果を残す。
スモモの育て方(4) 収穫
収穫時期は6~8月。
果実が色づいて、やわらかくなるまで完熟させてから収穫する。収穫が早すぎると酸味が残る。
スモモの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、収穫後の9月に速効性の化成肥料を施す。
スモモの育て方(6) 剪定
スモモの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は短果枝によくつく(7~8月頃)。
剪定では込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。長く伸びた枝は先端1/3くらいを切り返し、短果枝を多く発生させるようにする。
仕立て方は、開心自然形や棚仕立て(開張しやすい品種が適している)が向く。
ナシ(梨)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (難しい) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 8月~10月 |
ナシはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。日本ナシの栽培適地は東北地方南部以南。西洋ナシ・中国ナシの栽培適地は東北地方以北(雨が少なく冷涼な気候を好む)。日本ナシ・中国ナシは実がなるまで3~4年、西洋ナシは実がなるまで5年かかる。受粉樹は必要(1本で実のなる品種もある)。花芽分化は6~7月頃(花芽は混合花芽)。
ナシには日本ナシ、西洋ナシ、中国ナシの3種がある。日本ナシは樹上で完熟するため、収穫後すぐに食べられるが、西洋ナシと中国ナシは収穫後の追熟処理が必要。
品種には、1本で実のなる『なるみ』、ねっとりとした食感の西洋ナシ『ラ・フランス』、日本一大きい巨大ナシで2kgほどにもなる『愛宕』などがある。
ナシの育て方(1) 植え付け
ナシの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は高さ60~70cmで切り返して植える。
ナシはほとんどの品種が1本では結実しないので、結実させるには他品種を混植して受粉させる(交配しない組み合わせもあるので注意する)。西洋ナシと日本ナシの組み合わせでもよい。
生垣などに利用されるカイヅカイブキ(ビャクシン類)は、ナシの病気の一つである赤星病の病原菌を媒介するので、ビャクシン類の近くにはナシを植えないようにする。
ナシの育て方(2) 人工授粉
開花したら、確実に結実させるために人工授粉を行う。
ナシは1花そうに8~10花ほど咲くが、果実の肥大のよい、外側から3~4番目の花に別品種の花粉をつけて受粉させる。1花で5~6花に受粉できる。
ナシの育て方(3) 摘果
結実したら、摘果を2回に分けて行う。
最初の摘果は花の満開後20日頃までに行い、1果そうに1果を残して、ほかを摘み取る。2回目は満開後45日頃までに行い、3~4果そうに1果となるようにする。
摘果後、袋かけをすれば、病害虫の被害を防ぐことができる。
ナシの育て方(4) 収穫
ナシの収穫時期は8~10月。
日本ナシは樹上で完熟させてから収穫する。日本ナシは熟すと、果実を持ち上げたときに果梗がとれるようになり、収穫後、すぐに食べられる。
西洋ナシの収穫時期は、ラ・フランスで満開後165日前後、ル・レクチェで満開後170~175日が目安(いずれも山形県の場合)。
日本ナシは収穫後、すぐに食べられるが、西洋ナシは追熟が必要。
ナシの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
ナシの育て方(6) 剪定
ナシの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋や短果枝につく(6~7月頃)。
剪定では徒長枝や込み合った部分の枝などを間引き、日当たりをよくする。長く伸びた短果枝のついていない枝は先端の2~3芽を切り返すと、短果枝がつきやすくなる。上に伸びる枝は水平に誘引することで、短果枝がつきやすくなる。
仕立て方は変則主幹形、棚仕立て、エスパリエ仕立てなどが向く。
西洋ナシを追熟させる場合
西洋ナシは収穫後に一定期間(品種によって異なる)の追熟が必要。
追熟させる場合は、冷蔵庫に1週間入れて、その後、20℃くらいの室内に1~2週間置いておく。果実からよい香りがしてきたら、食べ頃となる。
ナツメ(棗)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 9月~10月 |
ナツメはこんな果樹
クロウメモドキ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は5~6月頃(花芽は混合花芽)。
ナツメの果実はリンゴに似た食味。果実を乾燥させたものは大棗(たいそう)と呼ばれ、漢方薬になる。
品種には、最大果重50gほどにもなる『皇帝』、最大果重110gで卵よりも大きい『新疆棗王』などがある。
ナツメの育て方(1) 植え付け
ナツメの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は高さ30~40cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するので、受粉樹は不要。
ナツメの育て方(2) 人工授粉
ナツメは1本でも結実するが、開花期と梅雨時期が重なるため、実つきがよくない場合がある。実つきをよくするには、開花時に花の中を筆先でさわって人工授粉するとよい。
ナツメの育て方(3) 摘果
たくさんの果実がついた場合は、隔年結果を防ぐために摘果を行う。
摘果は7月下旬頃に行い、新梢1本につき3~4果となるように、形のよい果実を残して他は摘み取る。
ナツメの育て方(4) 収穫
ナツメの収穫時期は9~10月。
果実が茶褐色に色づき、少し柔らかくなったものから収穫する。手袋をして枝をしごくようにすると収穫しやすい。
ナツメの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、2月下旬から3月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ナツメの育て方(6) 剪定
ナツメの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の先端付近につく(5~6月頃)。
剪定では枯れた枝や込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部の日当たりを良くする。株元から発生するひこばえは元から切り取る。花芽のついた枝先は切り返さないよう注意する。
仕立て方は主幹形仕立てなどが向く。
ネクタリンの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~8月 |
ネクタリンはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方中部以南。実がなるまで3年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
ネクタリンはモモの変種。果皮に毛がなく、果実は皮ごと食べられるのが特徴。
品種には、皮ごと食べられる『ファンタジア』などがある。
ネクタリンの育て方(1) 植え付け
ネクタリンの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
ネクタリンは1本でも結実するので受粉樹は不要。
ネクタリンは耐陰性が弱く、日陰では枝が枯れやすいので、植え付け場所には注意する。
ネクタリンの育て方(2) 摘蕾
蕾がふくらんできたら摘蕾を行う。
摘蕾では、上向きの蕾を取り除いて、下向きや横向きの蕾を残す。摘蕾をすることで養分の消耗を抑えて、果実の肥大を促進する。
ネクタリンの育て方(3) 摘果
摘果は満開から3~4週間後と5月中・下旬頃の2回に分けて行う。
最終的に30cm以上の長果枝は2果、20cm前後の中果枝は1果、15cm以下の短果枝は5本で1果を残すようにする。
摘果後、果実に袋かけをすれば、病害虫の被害や雨による裂果を防ぐことができる。
ネクタリンの育て方(4) 収穫
ネクタリンの収穫時期は6~8月。
袋かけをした場合は、収穫の1週間前になったら袋を外し、果実を日光に当て着色させる。
果実が色づいて、よい香りがしてきたら収穫をする。
ネクタリンの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、収穫後の9月に速効性の化成肥料を施す。
ネクタリンの育て方(6) 剪定
ネクタリンの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(7~8月頃)。特に中果枝や長果枝に花芽がよくつく。
剪定では込み合う部分の枝や徒長枝などを間引き、樹冠内部に日が当たるようにし、そのほかの枝は先端に葉芽が2~3芽残るように切り返す。ネクタリンの剪定では、よく実がつく、中・長果枝を多くつくるようにする。
仕立て方は変則主幹形、開心自然形などが向く。
ハスカップの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 5月~6月 |
ハスカップはこんな果樹
スイカズラ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方以北(冷涼な気候を好む)。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は必要。花芽分化は6~7月頃(花芽は混合花芽)。
ハスカップは樹高1~2mの低木で、語源はアイヌ語のハシカプ(枝の上にたくさんなるもの)に由来する。果実はブルーベリー同様、アントシアニンを豊富に含む。
ハスカップの育て方(1) 植え付け
ハスカップの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
ハスカップは基本的に自家結実性が低いので、受粉樹となる他品種の混植が必要。
弱酸性の土壌を好むので、土にピートモスを混ぜて植え付ける。
ハスカップの育て方(2) 人工授粉
開花したら花を摘みとって、もう一方の品種の花に花粉をすりつける人工授粉をしてやると、安定して結実する。
ハスカップの育て方(3) 収穫
ハスカップの収穫時期は5~6月。
果実が濃い藍色になり、やわらかくなったものから順次収穫を行う(果実は熟期にバラつきがある)。過熟すると落果しやすくなる。
果実は傷みやすいので、収穫後はすぐに生食するか、加工して利用する。
ハスカップの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、11月に有機質肥料、2月に速効性の化成肥料を施す。
ハスカップの育て方(5) 剪定
ハスカップの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の先端付近につく(6~7月頃)。
剪定では込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。4~5年経過した古いシュート(株元から出る枝)は株元から間引いて、新しいシュートに更新する。
仕立て方は株仕立てなどが向く。
フサスグリの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 11月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 7月~8月 |
フサスグリはこんな果樹
スグリ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方以北(夏に冷涼な気候を好む。暖地で栽培する場合は、西日のあたらない半日陰となる場所に植える)。半日陰でも育つ。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
フサスグリ(カーラントともいう)は房状に果実がつく、樹高1~1.5m程度の低木。フサスグリには、赤い実をつけるアカフサスグリ(レッドカーラント)、黒い実をつけるクロフサスグリ(ブラックカーラント)などがある。クロフサスグリはカシスともいう。
品種には、赤実の『レッドカーラント』、一般種と比べて2倍近い大実のジャンボカシス『チタニア』などがある。
フサスグリの育て方(1) 植え付け
フサスグリの苗木の植え付け時期は11月(温暖地)と3月(寒冷地)。
植え付け時の苗木の切り返しは必要ない。
自家結実性があり、1本でも結実するので、受粉樹は必要ない。
フサスグリの育て方(2) 収穫
フサスグリの収穫時期は7~8月。
アカフサスグリは房全体が色づいたら、房ごと切り取って収穫する。
クロフサスグリは色づいた果実から順に収穫する。
果実は傷みやすいので、収穫後はすぐに生食するか、加工して利用する。
フサスグリの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料を施す。
フサスグリの育て方(4) 剪定
フサスグリの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(7~8月頃)。
剪定では込み合う部分の枝を間引いて、日当たりと風通しをよくする。3~4年収穫したシュート(株元から出る枝)は、花芽がつかなくなってくるので、株元から切り取り、新しいシュートに更新する。
仕立て方は株仕立てなどが向く。
ブドウの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (難しい) |
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植え付け時期 | 11月中旬~12月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 8月~10月 |
ブドウはこんな果樹
ブドウ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は6~7月頃(花芽は混合花芽)。
ブドウはつる性なので、棚仕立てや垣根仕立てで栽培する。
品種には、皮ごと食べられる種なしの『秋鈴』、粒が細長くて皮ごと食べられる『マニキュアフィンガー』、果皮が黄緑で皮ごと食べられる『瀬戸ジャイアンツ』などがある。
ブドウの育て方(1) 植え付け
ブドウの苗木の植え付け時期は11月中旬から12月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は60~70cmの高さで切り返して植える。
1本でも結実するので、受粉樹は必要ない。
ブドウの育て方(2) 房づくり
ブドウは花蕾が多いと、養分が分散されて結実不良になりやすいので、それを回避するため、花穂の一部を切り取る、房づくりを行う。房づくりは開花しかけた頃に行う。
巨峰、および巨峰系統の大粒品種の場合は、分かれ出た副穂を切除し、さらに主穂上部の支梗数段と下部を少し切除し、花穂の長さが7~8cm(15~16段)となるようにする。
そのほかの品種では8~10cm、デラウェアの場合は、副穂だけを切除する。
ブドウの育て方(3) 摘房
花の咲き終わりから2週間程度たち、果粒がダイズ大になったら摘房を行う。
1結果枝に1果房を目安に残し、ほかの果房は摘み取る。デラウェアのような小房の品種は1結果枝に2果房を目安にする。
ブドウの育て方(4) 摘粒
摘房後、そのままでは果粒が密着しすぎて大きくならないので、1房当たりの果粒数を調節する摘粒を行う。
傷のある果粒や小さい果粒、込み合っている部分の果粒などを取り除き、巨峰などの大粒品種は1房30~35粒、そのほかの品種では60~70粒、デラウェアでは90~100粒程度を残す。
摘粒後、果房に袋かけや笠かけをすると、害虫や風雨による実の傷みが防げる。
ブドウの育て方(5) 収穫
ブドウの収穫時期は8~10月。
果実が品種特有の色に色づき、十分に熟した頃に収穫する。
ブドウは房先の果粒が熟していれば収穫できる。果梗をハサミで切り取って収穫する。
ブドウの育て方(6) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
ブドウの育て方(7) 剪定
ブドウの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(6~7月頃)。
剪定では込み合った部分の枝を間引き、新梢は2~3芽残して切り返す(樹勢が強いときは、7~8芽を残して新梢を切り返す)。
ブドウは枝の切り口から枯れやすいため、枝を切るときは芽の直上で切らず、芽と芽の中間で切るようにする。
仕立て方は棚仕立て、垣根仕立てなどが向く。
ブラックベリーの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 11月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~9月 |
ブラックベリーはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は関東地方以西。実がなるまで2年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
ブラックベリーには、トゲのあるもの・ないもの、一季なりのもの・二季なり(初夏と夏から秋にかけて収穫できる)のもの、樹姿が直立性のもの・ほふく性のものなどがある。果実の色には赤、黄、黒、紫などがある。
品種には、トゲなしの『トリプルクラウン』、通常種の1.5倍ほどの大実でトゲなしの『ジャンボブラックベリー』などがある。
ブラックベリーの育て方(1) 植え付け
ブラックベリーの苗木の植え付け時期は11月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は高さ20cm前後で切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するので受粉樹は必要としない。
ブラックベリーの育て方(2) 収穫
ブラックベリーの収穫時期は6~9月。
果実全体が濃く色づいて、やわらかくなった頃に収穫する。収穫時期になったものから順次、ヘタごと摘み取って収穫していく。ブラックベリーはラズベリーと異なり、熟しても果実と花托は離れず、花托ごと収穫できるので果実がつぶれにくい。
ブラックベリーの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、11月に有機質肥料、2月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
ブラックベリーの育て方(4) 剪定
ブラックベリーの剪定時期は収穫後と12~2月(冬季剪定)。
一季なり性の品種は、新梢の葉腋に花芽がつき、翌年、開花結実する(実のついた結果母枝は冬までに枯れる)。二季なり性の品種では、さらに、春に発生したシュート(株元から出る枝)の先端にも花芽がつき、夏から秋にかけて開花結実する。
収穫後、風通しや日当たりをよくするため、実のついた結果母枝を早めに株元から間引く。
冬季剪定では、直立性品種の場合、株仕立てにして、結果母枝を株元から1~1.5mのところで切り返し、貧弱な結果母枝や枯れ込んだ結果母枝などを間引いて、1株あたり5~10本の結果母枝を残す。ほふく性品種の場合は垣根仕立てにして、結果母枝を株元から1.5~2mのところで切り返し、1株あたり3~4本の結果母枝を残す。
二季なり性の品種では、秋に実がついた枝の下の部分は、翌年の結果母枝となるので、間引かずに残しておく。
ブルーベリーの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 11月上旬~12月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~9月 |
ブルーベリーはこんな果樹
ツツジ科の落葉果樹。栽培適地はサザンハイブッシュ系・ラビットアイ系が関東地方以西、ノーザンハイブッシュ系は関東地方以北(冷涼な気候を好む)。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は品種によっては必要になる。花芽分化は7~9月頃(花芽は純正花芽)。
日本で栽培されているブルーベリーの主な系統には、ノーザンハイブッシュ系、サザンハイブッシュ系、ラビットアイ系の3つがある。
ブルーベリーの果実には目によいとされるアントシアニンが豊富に含まれている。
品種には、果実が500円玉サイズの『チャンドラー』、ハイブッシュ系とラビットアイ系の交配種で果実がピンク色の『ピンクレモネード』などがある。
ブルーベリーの育て方(1) 植え付け
ブルーベリーの苗木の植え付け時期は11月上旬から12月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は高さ40~50cmで切り返して植える。
ハイブッシュ系は自家受粉するが、ラビットアイ系は自家受粉しにくいので、同系統のなかから受粉樹となる他品種を受粉樹として混植する必要がある(ハイブッシュ系でも受粉樹があったほうが大きな実になる)。
ブルーベリーは酸性土壌を好むので、苗を植え付けるときは、ピートモスを土に混ぜる。目安はハイブッシュ系がpH4.3~4.8、ラビットアイ系がpH4.3~5.5。
ブルーベリーの根は浅根性で乾燥に弱いため、株元をバークチップやワラ、落ち葉などでおおって、乾燥を防ぐようにする。
ブルーベリーの育て方(2) 人工授粉
他品種を混植してあれば、虫媒などで自然に受粉するが、開花したら、筆先で花の中を交互にさわり、人工授粉をすれば、より確実に実がつく。
ブルーベリーの育て方(3) 収穫
ブルーベリーの収穫時期は6~9月。
果実が濃い藍色になり、果梗部のつけ根まで色づいたものから収穫する。熟した果実は指でつまむと、簡単に果梗部からとれるようになる。
ブルーベリーの果実は熟期にバラつきがあり、いっぺんに成熟しないので、熟したものから先に収穫する。
収穫した果実をすぐに生食しない場合、袋に入れて冷蔵すれば10日程度保存できるが、それ以上、保存する場合は冷凍保存にする。
ブルーベリーの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
ブルーベリーの育て方(5) 剪定
ブルーベリーの剪定時期は6月(夏季)と12月上旬から2月下旬(冬季)。
植え付けから1~2年は、株を充実させるため、剪定はほとんど行わない。花芽は新梢の先端付近につくので(7~9月頃)、枝に花芽がついた場合は切り返して、植え付けから1~2年は結実させないようにする。本格的な剪定は3年目から行う。
夏季剪定では、実をつける枝を増やすため、新梢の先端を1/3程度切り返す。切り返すことで、枝が分岐し、枝につく花芽の数が増える。
冬季剪定では、込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。3~4年、実をつけたシュート(株元から出る枝)は実つきが悪くなるので、株元から間引いて、新しいシュートに更新する。
仕立て方には株仕立てが向く。
プルーンの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 7月~9月 |
プルーンはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は品種によっては必要になる。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
プルーンは別名、セイヨウスモモともいう。プルーンは一般にスモモより開花時期が遅く、1週間から10日程度遅れて開花する。
品種には、サクランボとセイヨウスモモの交配種『バイオチェリー』、大果で糖度が高い『パープルアイ』などがある。
プルーンの育て方(1) 植え付け
プルーンの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性のない品種では、他品種を受粉樹として一緒に植える。なお、自家結実性のある品種でも、他品種を混植したほうが、結実率は高くなる。
プルーンの育て方(2) 人工授粉
自家結実性のない品種では、開花したら、受粉樹の花粉を他品種の花につける人工授粉を行う。
プルーンの育て方(3) 摘果
結実したら、摘果を2回に分けて行う。
最初の摘果は、満開後30日頃に行い、上向きのものや発育不良果、病害虫果などを取り除く。
2回目の摘果は満開後50~60日頃に行い、最終的に小果の品種は5cm間隔に1果、中果の品種は8cm間隔に1果、大果の品種は10~15cm間隔に1果を残す。
プルーンの育て方(4) 収穫
収穫時期は7~9月。
果実が色づいて、やわらかくなるまで完熟させてから収穫する。収穫が早すぎると酸味が残る。
プルーンの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、収穫後の9月に速効性の化成肥料を施す。
プルーンの育て方(6) 剪定
プルーンの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は短果枝によくつく(7~8月頃)。
剪定では込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。長く伸びた枝は先端1/3くらいを切り返し、短果枝を多く発生させるようにする。
仕立て方は主幹形や変則主幹形が向く。
ポポーの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 9月~10月 |
ポポーはこんな果樹
バンレイシ科の落葉果樹。栽培適地は北海道南部以南。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹はあるとよい(実つきがよくなる)。花芽分化は8月頃(花芽は純正花芽)。
品種には、最大果重400gにもなる『NC-1』、果重200g前後で豊産性の『サンフラワー』、コンパクトで鉢植えにも向く『プロリフィックス』などがある。
ポポーの育て方(1) 植え付け
ポポーの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
ポポーは基本的に1本でも結実する。ただし、ポポーには雌しべが先に成熟して、遅れて雄しべが成熟するという性質があるため、1本だけでは結実が不安定になる場合がある(雄しべが成熟して花粉を出す頃には、すでに雌しべは受精能力を失っていることが多い)。安定して結実させるには、受粉樹(他品種)を一緒に植えるとよい。
ポポーの育て方(2) 人工授粉
開花したら、確実に結実させるため、雄しべの花粉をもう一方の品種の雌しべにすりつける人工授粉を行う。
受粉樹を植えていない場合は、早く咲いた花から花粉を採取して冷蔵庫に保存し、あとでその花粉を人工授粉に使用する、という方法もある。
ポポーの育て方(3) 摘果
たくさんの実がついた場合は、1枝に1~2果、葉10枚あたり1果となるように摘果を行う。
ポポーの育て方(4) 収穫
ポポーの収穫時期は9~10月。
果皮が黄緑色になって柔らかくなった頃に収穫する(熟すと自然に落果する)。収穫後、数日、追熟させると甘みと香りが増す。
ポポーの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月と9月に速効性の化成肥料を施す。
ポポーの育て方(6) 剪定
ポポーの剪定時期は12月上旬から1月下旬。
花芽は新梢の基部から中央部にかけてつく(8月頃)。短い枝の場合、花芽は先端付近につく。
剪定では込み合った部分の枝を間引いて、樹冠内部の日当たりをよくする。
仕立て方は変則主幹形などが向く。
マルメロの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 9月~11月 |
マルメロはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は関東地方以北(雨が少なく夏に冷涼な地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は必要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
マルメロの果実は固いため生食には適さない。マルメロの果実はカリンの果実と似ているが、果皮に毛がないのがカリンで、果皮に綿毛が生えているのがマルメロなので簡単に見分けがつく。
マルメロの育て方(1) 植え付け
マルメロの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
マルメロは自家結実性が低く、安定して結実させるには受粉樹(他品種)が必要。
マルメロの育て方(2) 人工授粉
マルメロは自家結実性が低いので、開花したら、確実に結実させるため、他品種の花粉をつける人工授粉を行う。
マルメロの育て方(3) 摘果
5月下旬から6月上旬頃に摘果を行う。
小中果種で葉40枚あたり1果、大果種で葉60枚あたり1果を目安に残して、ほかは摘果する。
摘果後、果実に袋かけをすれば、病害虫の被害を防ぐことができる。
マルメロの育て方(4) 収穫
マルメロの収穫時期は9~11月。
果実が緑色から黄色になって、特有の芳香がするようになった頃に収穫する。
マルメロの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月に速効性の化成肥料を施す。
マルメロの育て方(6) 剪定
マルメロの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
マルメロの花芽は新梢の先端付近によくつく(7~8月頃)。
切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方は変則主幹形などが向く。
モモの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 12月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~8月 |
モモはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は東北地方中部以南。実がなるまで3年かかる。受粉樹は、品種によっては必要になる。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
品種には、西遊記で孫悟空が食べたとされる扁平の桃『蟠桃』、花が八重咲きで美しい花桃『ひなのたき』などがある。
モモの育て方(1) 植え付け
モモの苗木の植え付け時期は12月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
モモは自家結実するが、なかには花粉が少ない品種がある。花粉が少ない品種を栽培する場合は、受粉樹として花粉の多い品種の混植が必要。
モモは耐陰性が弱く、日陰では枝が枯れやすいので、植え付け場所には注意する。
モモの育て方(2) 摘蕾
蕾がふくらんできたら摘蕾を行う。
摘蕾では、上向きの蕾を取り除いて、下向きや横向きの蕾を残す。摘蕾をすることで養分の消耗を抑えて、果実の肥大を促進する。
モモの育て方(3) 人工授粉
花粉の少ない品種では、開花したら人工授粉を行う。
人工授粉は樹全体の6~7割の花が咲いた頃に行い、花粉の多い品種の花を花粉の少ない品種の花につけて受粉させる。
モモの育て方(4) 摘果
摘果は満開から3~4週間後と5月中・下旬頃の2回に分けて行う。
最終的に30cm以上の長果枝は2果、20cm前後の中果枝は1果、15cm以下の短果枝は5本で1果を残すようにする。
摘果後、果実に袋かけをすれば、病害虫の被害や雨による裂果を防ぐことができる。
モモの育て方(5) 収穫
モモの収穫時期は6~8月。
袋かけをした場合は、収穫の1週間前になったら袋を外し、果実を日光に当て着色させる。
果実が色づいて、よい香りがしてきたら収穫をする。
モモの育て方(6) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、収穫後の9月に速効性の化成肥料を施す。
モモの育て方(7) 剪定
モモの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(7~8月頃)。特に中果枝や長果枝に花芽がよくつく。
剪定では込み合う部分の枝や徒長枝などを間引き、樹冠内部に日が当たるようにし、そのほかの枝は先端に葉芽が2~3芽残るように切り返す。モモの剪定では、よく実がつく、中・長果枝を多くつくるようにする。
仕立て方は変則主幹形、開心自然形などが向く。
ヤマブドウ(山葡萄)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 11月中旬~12月下旬(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 9月~10月 |
ヤマブドウはこんな果樹
ブドウ科の落葉果樹。栽培適地は北海道から本州・四国地方(夏に高温となる地域で栽培すると果実が小さくなりやすい)。寒さに強い。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は必要(1本で実のなる品種もある)。
ヤマブドウは北海道から本州、四国にかけて分布する野生ブドウの一種。果実は小さく酸味が強く、主にワインの原料として利用される。
ヤマブドウの育て方(1) 植え付け
ヤマブドウの苗木の植え付け時期は11月中旬から12月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は3~4芽残して切り返して植える。
ヤマブドウは雌雄異株で、結実するのは雌木なので、植え付けるときは、雌木と受粉用の雄木の2本を一緒に植える必要がある。受粉は一般のブドウの花粉でも可能だが(巨峰などの四倍体品種は除く)、ヤマブドウは開花が早く、開花期の合うブドウが少ないため、雄木を混植するのが一般的。
ヤマブドウの育て方(2) 人工授粉
開花したら、雄木の花の花粉を雌木の花につける人工授粉をすれば、より確実に受粉できる。
ヤマブドウの育て方(3) 収穫
ヤマブドウの収穫時期は9月下旬から10月下旬頃。
十分に果実が色づいた頃に収穫する。
果実は色づき始めてから成熟するまでの期間が長い。十分に熟してから収穫をしないと酸味が残る。降霜前までには収穫を終えるようにする。
ヤマブドウの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、2月に速効性の化成肥料を施す。
ヤマブドウの育て方(5) 剪定
ヤマブドウの剪定時期は12月上旬から1月下旬。
花芽(混合花芽)は新梢の葉腋につく。
切り返し剪定を主体にして、長い枝は10~15芽、短い枝は2~5芽で切り返す。枝が水平、もしくは垂れ下がっているときに花芽がよくつくので、枝は水平、または下向きに誘引する。
仕立て方は垣根仕立てが向く。
ユスラウメの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 6月 |
ユスラウメはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は全国。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は8月頃(花芽は純正花芽)。
ユスラウメの果実は直径1cm程度で、サクランボのような味がする。ユスラウメには赤い果実をつける赤実種と、白い果実をつける白実種がある。果実は白実種のほうがやや大きいが、実つきがよいのは赤実種のほう。
品種には、赤い実をつける『赤実ユスラウメ』、白い実をつける『白実ユスラウメ』などがある。
ユスラウメの育て方(1) 植え付け
ユスラウメの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
自家受粉でよく結実するため、受粉樹は必要としない。
ユスラウメの育て方(2) 摘果
多く結実した場合は、5月上旬頃に葉2~3枚あたり1果になるように摘果を行う。
ユスラウメの育て方(3) 収穫
ユスラウメの収穫時期は6月。
果実の色が濃くなったら収穫する。白実種より赤実種のほうが若干、成熟が早い。
ユスラウメの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料を施す。
ユスラウメの育て方(5) 剪定
ユスラウメの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の葉腋につく(8月頃)。特に短果枝に花芽がよくつく。
剪定では込み合った部分の枝を間引いて、樹冠内部に日が当たるようにする。長く伸びた枝は先端を1/4程度切り返して、短果枝を発生させる。
仕立て方は変則主幹形などが向く。
ラズベリーの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 11月(温暖地)、3月(寒冷地) |
収穫時期 | 6月~10月 |
ラズベリーはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は関東地方以北(夏に冷涼な気候を好む)。実がなるまで2年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
ラズベリーには、トゲのあるもの・ないもの、一季なりのもの・二季なり(初夏と夏から秋にかけて収穫できる)のもの、樹姿が直立性のもの・ほふく性のものなどがある。果実の色には赤、黄、黒、紫などがある。
品種には、赤実で二季なりの『インディアンサマー』などがある。
ラズベリーの育て方(1) 植え付け
ラズベリーの苗木の植え付け時期は11月(温暖地)と3月(寒冷地)。
苗木は高さ20cm前後で切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するので受粉樹は必要としない。
ラズベリーの育て方(2) 収穫
ラズベリーの収穫時期は6~10月。
果実をつまんで引っ張ると、花托から果実が簡単に離れるようになった頃に収穫する。ラズベリーは熟すと果実と花托が離れやすくなる。収穫した果実は中が空洞なので、つぶさないよう注意する。
ラズベリーの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、11月に有機質肥料、2月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
ラズベリーの育て方(4) 剪定
ラズベリーの剪定時期は収穫後と12~2月(冬季剪定)。
一季なり性の品種は、新梢の葉腋に花芽がつき、翌年、開花結実する(実のついた結果母枝は冬までに枯れる)。二季なり性の品種では、さらに、春に発生したシュート(株元から出る枝)の先端にも花芽がつき、夏から秋にかけて開花結実する。
収穫後、風通しや日当たりをよくするため、実のついた結果母枝を早めに株元から間引く。
冬季剪定では、直立性品種の場合、株仕立てにして、結果母枝を株元から1~1.5mのところで切り返し、貧弱な結果母枝や枯れ込んだ結果母枝などを間引いて、1株あたり5~10本の結果母枝を残す。ほふく性品種の場合は垣根仕立てにして、結果母枝を株元から1.5~2mのところで切り返し、1株あたり3~4本の結果母枝を残す。
二季なり性の品種では、秋に実がついた枝の下の部分は、翌年の結果母枝となるので、間引かずに残しておく。
リンゴの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (難しい) |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
収穫時期 | 8月~11月 |
リンゴはこんな果樹
バラ科の落葉果樹。栽培適地は北海道中部以南から九州地方北部(7.2℃以下の低温に長時間あたらないと発芽が揃わない場合がある)。実がなるまで5年かかる(矮性台木苗は3年)。受粉樹は必要(1本で実のなる品種もある)。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
リンゴには広い場所がなくても栽培できる、カラムナータイプの品種がある。カラムナータイプの品種は側枝が伸びず、円筒状の樹形に育ち、果実が密生してつくのが特徴。
樹上で果実が成熟してくると、品種によっては果実に蜜が入る場合がある。蜜が入りやすい品種はふじ、紅玉、アルプス乙女などで、入りにくい品種にはつがる、千秋、王林などがある。
品種には、カラムナータイプで1本でも結実する『メイちゃんの瞳』、大果で果肉が赤い『ルビースイート』、蜜が全面に入る『ハニーアップル』などがある。
リンゴの育て方(1) 植え付け
リンゴの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
苗木は70~80cmの高さで切り返して植える。
リンゴは本来、高木になるので、コンパクトに仕立てたい場合は矮性台木苗を植える。
リンゴには1本でも結実する品種と1本では結実しない品種がある(品種の多くは1本では結実しない)。1本では結実しない品種の場合、他品種を混植して受粉させる必要がある(結実しない組み合わせもあるので注意する)。
リンゴの育て方(2) 人工授粉
1本では結実しない品種の場合、開花したら、花粉をもう一方の品種の雌しべにつける人工授粉をすると、実つきがよくなる。
リンゴの育て方(3) 摘果
結実後、摘果を2回に分けて行う。
最初の摘果は果実の直径が1cmくらいの頃に行い、1花房に1果となるように中心果を残し、それ以外は摘み取る。
2回目の摘果は果実がピンポン玉くらいの大きさになった頃に行い、大果の品種では4~5花房に1果、中果の品種では3花房に1果を残す。アルプス乙女などの極小果の品種では1花房に1~2果とする。
摘果後、果実に袋かけをすれば、病害虫の被害を防ぐことができる。
リンゴの育て方(4) 収穫
リンゴの収穫時期は8~11月。
日に当たって十分に色づいた果実から順に収穫する(袋かけをした場合は、収穫の1ヶ月前になったら袋を外し、日に当てる)。
晩生品種では凍害にあわないよう注意する。
リンゴの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月に速効性の化成肥料を施す。
リンゴの育て方(6) 剪定
リンゴの剪定時期は12月上旬から2月下旬。
リンゴは短果枝に良い実がつく。
徒長枝や込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。長い枝は先端を1/3程度切り返すと短果枝が発生しやすくなる。
仕立て方には主幹形や変則主幹形、エスパリエ仕立てなどが向く。
イチゴノキ(ストロベリーツリー)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月下旬 |
収穫時期 | 11月~1月 |
イチゴノキはこんな果樹
ツツジ科の常緑果樹。栽培適地は北海道南部以南。半日陰でも育つ。実がなるまで3年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃。
イチゴノキは秋から冬にかけて、白や薄桃色の壷のような形をした花を咲かせ、同時期に果実も熟す。別名、ストロベリーツリーともいう。果実は甘味が少なく、生食よりも加工用に適している。
イチゴノキの育て方(1) 植え付け
イチゴノキの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月下旬。
1本でも結実するので受粉樹は必要ない。
酸性土壌を好むので、植え付け時にはピートモスを土に混ぜて植え付けるとよい。ただし、土壌適応性の幅は広いので混ぜなくても育つ。
イチゴノキの育て方(2) 収穫
イチゴノキの収穫時期は11~1月。
果実が赤く色づいて熟した頃に収穫する。
収穫した果実は果実酒やジャムなどに加工して利用する。
イチゴノキの育て方(3) 肥料
肥料は毎年、2月に有機質肥料を施す。
イチゴノキの育て方(4) 剪定
イチゴノキの剪定時期は2月下旬から3月下旬。
花芽は新梢の先端付近につく(7~8月頃)。
切り返し剪定はなるべく控えて、樹冠内部の込み合う枝や枯れ枝を間引く程度にする。
オリーブの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月上旬~4月下旬 |
収穫時期 | 9月~12月 |
オリーブはこんな果樹
モクセイ科の常緑果樹。栽培適地は関東地方以西(1月の平均気温が10℃以下になる地域でないと花芽がつかないので注意)。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は必要(1本で実のなる品種もある)。花芽分化は1~2月頃(花芽は純正花芽)。
オリーブは樹姿が美しく、観葉植物としても人気がある。果実はオリーブオイルの原料として有名だが、ピクルスなどにも利用される。オイル向き、ピクルス向きの品種があるので、目的に応じた品種を選ぶ。
品種には、ピクルス用とオイル用の『ミッション』、1本でも結実するオイル用の『ルッカ』、一般的な品種よりも成長が早い『HINAKAZE』などがある。
オリーブの育て方(1) 植え付け
オリーブの苗木の植え付け時期は3月上旬から4月下旬。
苗木は高さ60~70cmで切り返して植える。
オリーブは多くの品種で自家受粉しないので、結実させるには受粉樹(他品種)の混植が必要(主に風媒によって受粉する)。
オリーブの育て方(2) 摘果
生理落果が終わる7月中旬以降になったら摘果を行う。
1房あたり2~3果を残して、ほかは摘み取る。
オリーブの育て方(3) 収穫
オリーブの収穫時期は9~12月。
収穫時期は果実の利用目的によって異なる。
果実をピクルスに利用する場合は、成熟前のまだ緑色のうちに収穫する。
オイル用として利用する場合は、果実が成熟して黒紫色になった頃に収穫する。
オリーブの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、3月に速効性の化成肥料を施す。
オリーブの育て方(5) 剪定
オリーブの剪定時期は2月上旬から3月上旬。
花芽は前年伸びた枝の中間部につく(1~2月頃)。
剪定では込み合う部分の枝を間引いて、樹冠内部の日当たりをよくする。
仕立て方は変則主幹形などが向く。
カボスの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 8月~10月 |
カボスはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は東北地方南部以南(年平均気温が14℃以上で冬の最低気温が-6℃以下にならない地域)。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
カボスは果汁や果皮を料理の風味づけなどに利用する柑橘類。大分県の特産。
品種には、種のない『種なしカボス』などがある。
カボスの育て方(1) 植え付け
カボスの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
カボスの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐため、7月頃に摘果を行う。
葉25枚あたり1果になるように、傷果や小玉果などを取り除く。
カボスの育て方(3) 収穫
カボスの収穫時期は8月中旬から10月中旬頃。果皮が緑色のうちに収穫する。熟すと果皮が黄色くなって、香りや酸味が減少する。
収穫した果実を保存するときは、ポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておく。
カボスの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
カボスの育て方(5) 剪定
カボスの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
カボスを剪定する場合、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にする。枝は開くように誘引すると結実しやすくなる。
仕立て方には開心自然形や主幹形仕立てなどが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
キンカン(金柑)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 12月~1月 |
キンカンはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が16℃以上で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は6月頃。花芽分化から開花までの期間は、一般的な柑橘類(3~4ヶ月)と異なり、1ヶ月程度と短い。
キンカンの果実は皮ごと生食できるのが特徴。花は7月から8月頃にかけて3~4回咲く。
品種には、代表的品種の『寧波金柑』、食味が良く種が少ない『ぷちまる』などがある。
キンカンの育て方(1) 植え付け
キンカンの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ40~50cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は必要ない。
キンカンの育て方(2) 摘果
大きい果実を収穫したい場合は、9月頃に小果や傷果などを摘み取り、枝長10cmあたり1果になるように摘果を行う。
キンカンの育て方(3) 収穫
キンカンの収穫時期は12~1月。
果皮が濃い黄橙色になった頃に収穫する。熟すと果皮も甘くなる。
キンカンの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
キンカンの育て方(5) 剪定
キンカンの剪定時期は3月。
花芽は主に、当年の春(4月下旬から5月頃)に伸びる新梢につく(6月頃)。
込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
キンカンは剪定後に花芽がつくため、他の柑橘類に比べると、自由に剪定ができる。仕立て方には開心自然形などが向く。
クランベリーの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月 |
収穫時期 | 9月~11月 |
クランベリーはこんな果樹
ツツジ科の常緑果樹。栽培適地は関東地方以北(夏に涼しい気候を好む)。明るい日陰でも育つが、乾燥には弱い。実がなるまで2~3年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~9月頃(花芽は混合花芽)。
クランベリーは樹高20cm程度の小低木で、秋になると細い枝に1cm程度の赤い果実をつける。冬になると葉が紅葉し、春になると緑色に戻るが、落葉はしない。
クランベリーの育て方(1) 植え付け
クランベリーの苗木の植え付け時期は3月。
植え付け時の苗木の切り返しは不要。
自家結実性があり、1本でも結実するので、受粉樹は不要。
酸性土壌を好むので、植え付け時にはピートモスを土に混ぜて植え付ける。目安はpH4.0~4.5。
クランベリーの育て方(2) 人工授粉
1本でも結実するが、開花時に筆先で花の中をさわって人工授粉してやれば、実つきがよくなる。
クランベリーの育て方(3) 収穫
クランベリーの収穫時期は9~11月。
果実が赤く色づいて、少しやわらかくなった頃に収穫する。
収穫後は冷蔵庫に入れれば1~2ヶ月、冷凍庫ではさらに長く保存できる。
クランベリーの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、2月に有機質肥料、8月に速効性の化成肥料を施す。
クランベリーの育て方(5) 剪定
クランベリーの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
花芽は新梢の先端につく(7~9月頃)。
剪定は枯れ枝や込み合う部分の枝を間引く程度にする。花芽のついた枝先は切り返さないよう注意する。
仕立て方は低い垣根仕立てが向く。
スダチの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 8月~10月 |
スダチはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は東北地方南部以南(年平均気温が14℃以上で冬の最低気温が-6℃以下にならない地域)。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
スダチは果汁や果皮を料理の風味づけなどに利用する柑橘類。徳島県の特産。
品種には、種のない『種なしスダチ』などがある。
スダチの育て方(1) 植え付け
スダチの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
スダチの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐため、7月頃に摘果を行う。
葉5枚あたり1果になるように、傷果や小玉果などを取り除く。
スダチの育て方(3) 収穫
スダチの収穫時期は8月中旬から10月中旬頃。果皮が緑色のうちに収穫する。熟すと果皮が黄色くなって、香りや酸味が減少する。
収穫した果実を保存するときは、ポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておく。
スダチの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
スダチの育て方(5) 剪定
スダチの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
スダチを剪定する場合、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にする。枝は開くように誘引すると結実しやすくなる。
仕立て方には開心自然形や主幹形仕立てなどが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
デコポン(不知火)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 1月~2月 |
デコポンはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が16℃以上で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
デコポンは流通する果実の名前(商標登録名)で、品種名は不知火(しらぬい)という。デコポンは果梗部にデコができるのが特徴で、デコは開花前の昼夜の寒暖差が激しいときや、樹勢が強いときに発生しやすくなる。
品種には、普通のデコポンより酸が抜けやすい『早生デコポン』などがある。
デコポンの育て方(1) 植え付け
デコポンの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
単為結果性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
デコポンの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐために、結実したら摘果を行う。
摘果は生理落果後の7月下旬から8月中旬頃に行い、葉100枚あたり1果になるように、傷果や小玉果などを取り除く。
デコポンの育て方(3) 収穫
デコポンの収穫時期は1月下旬から2月下旬頃。
果実を収穫したら、1~2ヶ月貯蔵する。一定期間貯蔵することで、減酸されて食味がよくなる。
早どりすると低糖度の果実になるので、適期に収穫をする。
デコポンの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
デコポンの育て方(5) 剪定
デコポンの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
デコポンを剪定する場合は、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方には開心自然形などが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
ナツミカン・アマナツの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 12月~1月 |
ナツミカン・アマナツはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(アマナツは年平均気温が16℃以上で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
ナツミカンは山口県で発見された柑橘類で、別名、夏ダイダイとも呼ばれる。果実は400~500g程度と大きく、酸味が強いのが特徴。アマナツと違って、ナツミカンの果実はほとんど流通していない。
アマナツ(甘夏)はナツミカンの枝変わり(変異種)で、ナツミカンより、酸味が少なく食べやすいのが特徴。別名、川野夏ダイダイとも呼ばれる。
品種には、甘夏よりも酸味が少なく食べやすい『紅甘夏』などがある。
ナツミカン・アマナツの育て方(1) 植え付け
ナツミカン、アマナツの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
ナツミカン、アマナツは自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
ナツミカン・アマナツの育て方(2) 摘果
摘果は生理落果後の7月下旬から8月中旬頃に行う。
葉100~120枚あたり1果になるように傷果や小玉果などを取り除く。
ナツミカン・アマナツの育て方(3) 収穫
ナツミカン、アマナツの収穫時期は12月中旬から1月上旬頃。
暖地以外では、寒害をうけないように、12月中旬から1月上旬頃に収穫し、収穫後、貯蔵して減酸させてから食べる。
暖地では樹上越冬させて、アマナツは2月から3月頃、ナツミカンは4月から5月頃に収穫して食べるとおいしい。
ナツミカン・アマナツの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ナツミカン・アマナツの育て方(5) 剪定
ナツミカン、アマナツの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
ナツミカン、アマナツを剪定する場合は、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方には開心自然形などが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
ネーブルオレンジの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 12月~1月 |
ネーブルオレンジはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が16℃以上で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
ネーブルオレンジは果頂部が二重果となるのが特徴で、へそ(ネーブルはへその意味)のように見えることから、この名がついた。
品種には、豊産性で酸の抜けが早い『清家ネーブル』などがある。
ネーブルオレンジの育て方(1) 植え付け
ネーブルオレンジの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
1本で結実するため、受粉樹は不要。
ネーブルオレンジの育て方(2) 摘果
結実したら、隔年結果を防ぐため、7~8月頃に摘果を行う。
葉90~100枚あたり1果を残す。摘果では外傷果や小玉果、裂果しやすいへその大きなものを取り除く。
ネーブルオレンジの育て方(3) 収穫
収穫時期は12月上旬から1月上旬頃。
果実を収穫したら、1~3ヶ月貯蔵する。一定期間貯蔵することで、減酸されて食味がよくなる。
ネーブルオレンジの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ネーブルオレンジの育て方(5) 剪定
ネーブルオレンジの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
ネーブルオレンジを剪定する場合は、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方には開心自然形などが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
ハッサクの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 12月~1月 |
ハッサクはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が15.5℃以上で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹が必要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
品種には、八朔の枝変わりで普通の八朔より糖度が高い『紅八朔』などがある。
ハッサクの育て方(1) 植え付け
ハッサクの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
ハッサクは自家結実性が低いので、ナツミカンやアマナツなどの受粉樹の混植が必要。単植では種子のない小さな果実になる。
ハッサクの育て方(2) 人工授粉
開花したら、ナツミカンやアマナツなどの花粉を用いて人工授粉する。人工授粉することで、実つきがよくなり、果実も大きくなる。
ハッサクの育て方(3) 摘果
摘果は生理落果後の7月下旬から8月中旬頃に行う。
葉80~100枚あたり1果になるように傷果や小玉果などを取り除く。
ハッサクの育て方(4) 収穫
ハッサクの収穫時期は12月中旬から1月上旬頃。
暖地以外では、寒害をうけないように、12月中旬から1月上旬頃に収穫し、収穫後、貯蔵して減酸させてから食べる(5℃で1~2ヶ月貯蔵)。
暖地では樹上越冬させて、2月から3月頃に収穫して食べるとおいしい。
ハッサクの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ハッサクの育て方(6) 剪定
ハッサクの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
ハッサクを剪定する場合は、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方には開心自然形などが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
ハナユの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 8月~12月 |
ハナユはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は東北地方南部以南。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
ハナユは果汁や果皮を料理の風味づけなどに利用する柑橘類。一才ユズ、ハナユズ(花柚子)とも呼ばれ、花も料理の風味づけに利用されるが、果実の香りはユズより劣る。
ハナユの育て方(1) 植え付け
ハナユの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
ハナユの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐため、7月頃に摘果を行う。
葉8枚あたり1果になるように、傷果や小玉果などを取り除く。
ハナユの育て方(3) 収穫
ハナユの収穫時期は8月中旬から12月上旬頃。果皮が緑色の頃から収穫できる。
収穫した果実を保存するときは、ポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておく。
ハナユの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ハナユの育て方(5) 剪定
ハナユの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
ハナユを剪定する場合、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にする。枝は開くように誘引すると結実しやすくなる。
仕立て方には開心自然形や主幹形仕立てなどが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
ビワ(枇杷)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月上旬~4月下旬 |
収穫時期 | 5月~6月 |
ビワはこんな果樹
バラ科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が15℃以上で冬の最低気温が-3℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
ビワは晩秋から冬にかけて開花し、初夏に果実が成熟する。葉は乾燥させてビワ茶などに利用できる。
品種には、代表的品種の『茂木』、やわらかく甘みが強い『なつたより』、果実が一般的なビワの倍以上の大きさの『クイーン長崎』などがある。
ビワの育て方(1) 植え付け
ビワの苗木の植え付け時期は3月上旬から4月下旬。
自家結実性があり、1本でも受粉するので、受粉樹は不要。
ビワの育て方(2) 摘蕾
ビワは枝先につく花房に100個前後の花がつく。全部結実させると、果実が大きくならないので、11月頃に蕾の数を減らす(間引く)摘蕾を行う。
田中(大果種)の場合は、花房下部の2段を残し、それより上を摘み取る。茂木(中果種)の場合は、花房中間部の3~4段を残し、他を摘み取る。
ビワの育て方(3) 摘果
寒害の心配がなくなる3月から4月頃に摘果を行い、田中の場合は1果房に1~3果、茂木の場合は3~5果を残すようにする。
ビワの育て方(4) 袋かけ
摘果後に袋かけをすれば、病害虫による被害を防ぐことができる。
袋かけをする場合は、田中の場合は1果ごと、茂木の場合は1果房ごとに袋かけをする。
ビワの育て方(5) 収穫
ビワの収穫時期は5~6月。
果実がオレンジ色に色づいて、やわらかくなった頃に収穫する。
ビワの育て方(6) 肥料
肥料は毎年、9月に有機質肥料、3月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。
ビワの育て方(7) 剪定
ビワの剪定時期は9月。
花芽は中心枝(春に伸びた枝)の先端によくつく(7~8月頃)。
込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にする。蕾のついた中心枝から、何本もの副梢が出ているときは、間引いて1本にする。
仕立て方は変則主幹形などが向く。
フェイジョアの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月中旬~4月上旬 |
収穫時期 | 10月~12月 |
フェイジョアはこんな果樹
フトモモ科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は品種によっては必要になる。花芽分化は8~9月頃(花芽は混合花芽)。
フェイジョアの熟した果実はパイナップルとバナナをミックスしたような香りがする。花は肉厚で甘みがあり、エディブルフラワーとして食べることもできる。
品種には、1本でも結実する『クーリッジ』『アポロ』『プリティーグリーン』などがある。
フェイジョアの育て方(1) 植え付け
フェイジョアの苗木の植え付け時期は3月中旬から4月上旬。
苗木は50~60cmの高さで切り返して植える。
フェイジョアには自家結実性がある品種とない品種がある。自家結実性がない品種を栽培する場合は、受粉樹となる別品種の混植が必要。
フェイジョアの育て方(2) 摘蕾
蕾が見えたら摘蕾を行う。
枝先より枝の基部につく果実のほうが大きくなるので、基部についた2個の蕾を残し、他の蕾は摘み取る。摘蕾しておけば、摘果は必要ない。結実後に摘果してもよい。
フェイジョアの育て方(3) 人工授粉
開花したら、花を摘み取り、異なる品種の雌しべに花粉をつける人工授粉を行う。
自家結実性のある品種でも、人工授粉したほうが、より安定して結実する。1花で約10花に受粉できる。
フェイジョアの育て方(4) 収穫
フェイジョアの収穫時期は10~12月。
果実は熟していることが外観からでは分かりづらいため、自然落果したものや、手でさわると簡単にとれるものを収穫する。
収穫した果実は12~15℃くらいの室内に1週間程度おいて、追熟させると食味がよくなる。
フェイジョアの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、11月に速効性の化成肥料を施す。
フェイジョアの育て方(6) 剪定
フェイジョアの剪定時期は3月。
花芽は新梢の先端付近につく(8~9月頃)。
切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。花芽のついた枝先は切り返さないよう注意する。
仕立て方は主幹形仕立てなどが向く。
ブラッドオレンジの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 3月~4月 |
ブラッドオレンジはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
ブラッドオレンジはヨーロッパ原産のオレンジで、果皮と果肉にアントシアニンを含むのが特徴。
品種には、果肉が赤い『タロッコ』、タロッコより果実は小さいが赤みが強い『モロ』などがある。
ブラッドオレンジの育て方(1) 植え付け
ブラッドオレンジの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
1本で結実するため、受粉樹は不要。
ブラッドオレンジの育て方(2) 摘果
結実したら、隔年結果を防ぐため、7~8月頃に摘果を行う。
葉70枚(品種タロッコの場合)あたり1果を残す。タロッコの場合、大果より小果のほうが、赤みが濃くなる傾向にある。
ブラッドオレンジの育て方(3) 収穫
収穫時期は3月上旬から4月上旬頃。
ブラッドオレンジの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ブラッドオレンジの育て方(5) 剪定
ブラッドオレンジの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
ブラッドオレンジを剪定する場合は、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方には開心自然形などが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
ミカンの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 10月~12月 |
ミカンはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が15~18℃で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
品種には、果皮が普通のミカンより紅い『小原紅早生』、浮皮が少ない『寿太郎』、極早生の『日南の姫』、紀伊國屋文左衛門が江戸へ運んだとされる『紀州みかん』などがある。
ミカンの育て方(1) 植え付け
ミカンの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
単為結果性が強く、受粉しなくても結実するため、受粉樹は不要。
温暖な地域以外で栽培する場合は、熟期の早い品種を選ぶ。
ミカンの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐために、結実したら摘果を行う。
摘果は生理落果後の7月下旬以降に行い、葉25~30枚あたり1果になるように、傷んだ実や小さい実などを取り除く。
ミカンの育て方(3) 収穫
ミカンの収穫時期は10~12月。
果皮が緑色からオレンジ色に色づいた頃に収穫する。
遅くまで果実をつけておくと花芽のつきが悪くなるので、年内には収穫を終えるようにする。
ミカンの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ミカンの育て方(5) 剪定
ミカンの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
剪定では込み合う部分の枝を間引いて、樹冠内部まで日が当たるようにする。枝は開くように誘引すると花芽がつきやすくなる。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、隔年結果対策を参考にして剪定する。
仕立て方には開心自然形などが向く。
ミカンの育て方(6) 隔年結果対策
ミカンなどの柑橘類は、前年、実がついた枝には花芽がつかないため、ほかの果樹に比べ、隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)しやすい。
対策として、前年が表年だった場合は、不要枝を間引く程度の軽い剪定にとどめて、花芽をできるだけ残し、前年が裏年だった場合は、切り返し剪定を多めに行い、結果母枝(春枝)を多く発生させるようにする。
切り返し剪定をするときは、夏枝・秋枝を切り返す。春枝+夏枝のように伸びた枝では、春枝と夏枝の境のところで切り返す。春枝+夏枝+秋枝のように伸びた枝では、夏枝の中間で切り返す。
春枝・夏枝・秋枝の見分け方は次のとおり。春枝は節間が短く充実している。夏枝は節間が広く、葉が大きい。秋枝は節間が広く、貧弱なものが多い。春枝は剪定したときの断面が円形だが、夏枝・秋枝は断面が三角形。
ムベの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月 |
収穫時期 | 10月 |
ムベはこんな果樹
アケビ科の常緑果樹。栽培適地は関東地方以西。半日陰でも育つ。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。
ムベはつる性なので、棚仕立てや垣根仕立てで栽培する。
ムベは成長するにつれて小葉が3枚、5枚、7枚と増えていき、7枚になると結実する。
ムベの育て方(1) 植え付け
ムベの苗木の植え付け時期は3月。
1本でも結実するので、受粉樹は不要。
ムベの育て方(2) 人工授粉
ムベは1本でも結実するが、開花したら、雄花の花粉を雌花につけて人工授粉をすれば実つきがよくなる。
ムベの育て方(3) 摘果
実がたくさんついたときは、幼果のうちに、1花房1~2個となるように摘果を行う。
形のよい実や大きい実を残して、他は摘み取る。
ムベの育て方(4) 収穫
ムベの収穫時期は10月中・下旬頃。
果実が色づいてやわらかくなった頃に収穫する。ムベの果実は熟しても割れない。
ムベの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、12月に有機質肥料、2月に速効性の化成肥料を施す。
ムベの育て方(6) 剪定
ムベの剪定時期は12月上旬から1月下旬。
花芽は新梢の中間付近につく(7~8月頃)。
巻きづるは切り、貧弱な枝や込み合う部分の枝を間引き剪定する。つるは水平に誘引すると実がつきやすくなる。
仕立て方には棚仕立てや垣根仕立てなどが向く。
ヤマモモの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 6月~7月 |
ヤマモモはこんな果樹
ヤマモモ科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は必要。花芽分化は7~8月頃(花芽は純正花芽)。
品種には、酸味が少なく食味に優れる『森口』、酸味が強く果実酒に向く『瑞光』、酸味が少なく甘い大実品種『秀光』などがある。
ヤマモモの育て方(1) 植え付け
ヤマモモの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
ヤマモモは雌雄異株で雌木と雄木がある。雌木だけでは結実できないので、受粉用の雄木が必要。近所に雄木がある場合は、風媒によって受粉するので受粉用の雄木を植える必要はない。近所に雄木がない場合や、確実に結実させる場合は雄木を混植する。
ヤマモモは大木になるので、植え付け場所はよく考えて決める。実生苗だと開花結実するまでに15年以上要するので、必ず接木苗を購入する。
ヤマモモの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐため、生理落果後の5月中旬以降に葉5枚あたり1果を目安に摘果を行う。
ヤマモモの育て方(3) 収穫
ヤマモモの収穫時期は6~7月。
果実が緑色から暗赤紫色に色づいた頃に収穫する。
果実の熟期にはバラつきがあるので、熟したものから順次収穫する。
ヤマモモの育て方(4) 肥料
ヤマモモは根に共生している根粒菌が栄養分を供給するため、ほとんど肥料を与える必要はない。
ヤマモモの育て方(5) 剪定
ヤマモモの剪定時期は2月上旬から3月下旬。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は新梢(主に春に伸びた枝)の葉腋につく(7~8月頃)。
枝の込み合う部分などを間引く、間引き剪定を主体にする。仕立て方は開心自然形などが向く。
ユズの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 8月~12月 |
ユズはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は東北地方南部以南(年平均気温が13℃以上で冬の最低気温が-7℃以下にならない地域)。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
ユズは果汁や果皮を料理の風味づけなどに利用する柑橘類。
品種には、種なしで多汁の『多田錦』などがある。
ユズの育て方(1) 植え付け
ユズの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
ユズの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐため、7月頃に摘果を行う。
葉100枚あたり1果になるように、傷果や小玉果などを取り除く。
ユズの育て方(3) 収穫
ユズの収穫時期は8月中旬から12月上旬頃。ユズは果皮が緑色の頃から収穫できる。果汁が最も多くなるのは果皮が7~8割色づく10月頃。
収穫した果実を保存するときは、ポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておく。
ユズの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ユズの育て方(5) 剪定
ユズの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
ユズを剪定する場合、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にする。枝は開くように誘引すると結実しやすくなる。
仕立て方には開心自然形や主幹形仕立てなどが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。
レモンの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (ふつう) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 10月~3月 |
レモンはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が15.5℃以上で冬の最低気温が-3℃以下にならない地域)。実がなるまで3~4年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。7月以降に咲く花の花芽は同年に発生した新梢につく。
レモンは四季咲き性で、花は5月から10月にかけて3回ほど咲く(最も多く咲くのは5月頃)。四季咲き性の強弱は品種によって異なる。
品種には、四季咲き性が強い『ユーレカ』、皮をむいてそのまま食べられる糖度10度の『スイートレモネード』、通常のレモンの4倍の大きさの『ポンテローザ』などがある。
レモンの育て方(1) 植え付け
レモンの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
レモンの育て方(2) 摘果
レモンの花は5月から10月にかけて咲くが、木を弱らせないためにも、暖地以外では5~6月に開花・結実したものだけを成長させ、それ以降に結実したものは摘み取ったほうがよい(7月以降に開花したものは翌春以降に収穫となる)。
5~6月に開花・結実したものについては、7月下旬から8月頃に摘果を行う。
摘果では葉25~30枚あたり1果を残すようにする。
レモンの育て方(3) 収穫
レモンの収穫時期は10~3月。
果実が黄色くなるのは12月頃からだが、レモンは緑色のもの(グリーンレモン)でも料理に利用できるので、10月頃から収穫できる。
緑色のレモンを黄色くする場合は、緑色のレモン数個とリンゴ1個を一緒にポリ袋に入れて、室内に置いておく。1週間ほどたてば、リンゴから発生するエチレンによって、緑色のレモンが黄色になる。
レモンの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
レモンの育て方(5) 剪定
レモンの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。
込み合った部分の枝などを間引く、間引き剪定を主体にする。枝は開くように誘引すると花芽がつきやすくなる。
仕立て方には開心自然形などが向く。